2020年に東京オリンピック開催が決定して、ざわついているのは地価や観光ビジネスだけじゃありません。
お父さん、お母さん! 小学生の英語教育にも黒船がまた乗り込んできましたよ!
日本は、方言はあれど同じ文化背景を持った多くの人達が、同じ言語を話す、世界から見たら珍しい言語環境の国かもしれません。
ひと昔前までは、英語教育をしてようが、暮らしている国民はほぼ日本人だし、英語を使う必要もなし。
1964年の東京オリンピックでは、外国語のコミュケーションができる人が少なく、会話ができない!
...どうしましょう...ということで、競技種目表示にピクトグラムが始めて採用されたのだとか。
ピクトグラム、わかりますか? これ↓
すこしイラストが変わるだけで、伝わる内容もしっかり変わる優れもの。
3番目の人、明らかに焦ってるのがわかる 笑
でもね、いくらピクトグラムが優れているとは言っても、国際化が日々進む今2020年の東京オリンピックはさすがにピクトグラムじゃ乗り切れません。
お国も文部科学省 が有識者会議を開いて、日本人が英語を話して実際に使えることを目標に掲げました。
この記事では、2020年度に施行される次期学習指導要領で、英語がどう変わっていくか、各家庭であなたが簡単にできる準備について掘り下げてみたいと思います。
英語教育の変化は小学校でもう始まっているよ
2020と聞いて、「あ。まだ時間あるじゃん。」と、記事を閉じようとしたあなた。
ちょっと待ってください。実の所、黒船の波はもう到達しています。
学習指導要領が見直され、その内容が「大きく」変わるのが2020年。
それまでにちょいちょい始めてく?ってことで、2018年から段階的に英語の授業が始まっているんです。
2020年になったからって、一斉によーいどんだと、うまくいかないからね。
まず、これまでの学習指導要綱では、小学校5年生から「外国語活動」が始まります。「活動」ですから、まだ教科になる一歩手前で成績はつきません。
2018年からの移行期間では、この外国語活動が3年生に始まるんですね。
この3年生スタートプランはまだ100%の小学校が取り入れているわけではありませんが、2020年には全小学校で必修化になる予定です。
外国語活動が2年繰り上がって3年生からのスタートすることによって、2020年からは、5〜6年生で英語が「科目」になります。成績がつくようになるわけです。
まず、3〜4年生で「聞く」「話す」を体験学習で身につけて、英語に対する心理的ハードルを下げる。そして、5〜6年生で次の段階である「読み・書き」に進むっていうのがプランみたいですね。
このスライドによって、今までは中学校で扱っていた内容も一部小学校で学ぶことになる。
私は自分の経験から外国語を体験するのは、早い方ががいいと確信しているので、この外国語活動スタートの2年繰り上げは悪くないスタートだと思います。
今後、教科として英語とお付き合いする長い期間を考えると、最初に「英語って楽しい!」っていう気持ちを3〜4年生の外国語活動入り口で子供に持ってもらうことが、結構重要になるんじゃないですかね。
小学校の英語ではどんな教科書を使っているの?
2020年までの移行期間にあたる現在、小学校では文部科学省が作成した教材を使っています。
小学校で使用されている教科書
- 3〜4年生 :「Let’s try!」
- 5〜6年生 : 「We can!」
こんな感じ。
印象はどうですか?英語活動とはいえアルファベットがしっかり並んでいると、もう科目感というか授業感は若干ありますよね。
移行期間を含め、新しい学習指導要領では「実践的な」英語を身に付けることが目標とされています。
英語を話せる国民を生み出そうっていう方針だからね。
では、「実践的な」英語を身に付けるため、授業が具体的にどう方向転換していくかというと、リスニングやスピーキングに重点が置かれるようになります。
昔からスポットライトが当てられている「読む」「書く」に加えて「聴く」「話す」も同じラインに並んでくるわけです。これからの英語の評価は、4つの技能が全てバランスよく見られるようになる。逃げ道なしです。
中学校以降の英語はどう変わる?
新しい英語の波は、小学校の英語教育を変えるだけではありません。
進む黒船!
中学校、高校、大学受験の英語までその影響は及んできます。
そりゃそうだよね。
結局のところ2年の英語スタート繰り上げによって、我々親世代が中学生で学んた内容を今の子供達は小学生で半分以上終了してしまうわけだから。
4技能の底上げを図るという目的を持って、2020年からは中学校の授業は原則英語で行われるようになるのだとか。
原則英語?まじで?
先生の確保は大丈夫なんでしょうか...
今の日本に英語の授業を英語で行える先生が果たしてどれくらいいるのか。
純粋にそう思ってしまいます。
英語を始めて学ぶ柔らか脳さん達は、先生が間違えた英語を教えれば、その間違いさえもぐんぐん吸収して成長していくでしょう。是非、そこは先生の英語力や教える能力の差異がないようにしてもらいたいですよね…
話を戻します。
中学、高校を経てやってくるのは大学受験。
大昔は重箱の隅をつつくような文法問題なんかが出ていました。
その後に「読む」、「聴く」が重視される時代が到来し、今もその流れは受け継いでいますよね。
強いて言えば「読む」がだいぶ重視されている感があるでしょうか。
今振り返れば、かつてはリスニングがテストに入ってなかった時代があったわけです。あの時もリスニングがテストに入ってくる!って黒船騒動がありました。
翻弄される日本人。ヽ(´Д`;≡;´Д`)丿
今回の変革では、読む、書く、聴く、話すの4技能全てバランスよく能力を測ろうとしている点は、これまでとの大きな変化になりそうです。
小学生の英語教育 家でできることは何?
英語の音に慣れよう
私の経験からいうと、間違いなく英語の音に触れておくことだと思います。
文法は気にしない。とにかく耳をならして英語耳をつくる。
これからの英語教育は実用的な英語を「使える」ことを目指しているわけですから、英語を聴けて、自分が伝えたいことを話せるようになるのがゴールです。
となると、まず聴ける耳をつくらいないといけないですよね。
なぜ英語の音に慣れないといけないの?
そもそも英語の音は、日本語と音声周波数が違います。
日本語が1500ヘルツ以下なのに対して、英語は2000〜15000。日本語は周波数が低いのに対して、英語は高いんですね。だから、慣れないとそれこそ雑音にしか聞こえないというわけ。
各国の音声周波数
- 日本:1500ヘルツ以下
- 英語:2000~15000
- フランス語:1000~2000
また、日本語を作り出している音は24個ですが、英語の音は44〜51個もあります。
日本語で母音といえば、「あ、い、う、え、お」。
英語では、少なくとも母音だけで15個。この差は歴然です。
モロッコ出身の友人が、自国の言語について教えてくれた時に、いろんな音を出してくれました。
口の奥や、喉の奥から出す音。
彼女いわく、大抵の音は出せるから、他言語だって聴ける=真似できるのだそうです。
ほ〜
確かに、彼女は私の日本語のマネをしても結構うまい。
そんな話をしていて、自分が始めてアメリカでホームステイした時のことを思い出しました。期間にして短い2週間。
当時住んでいた市が、姉妹都市として交流していた町に、高校2年生でお邪魔した時のことです。
私は英語に興味はあれど、英語の勉強は中学生ではじめたフツーの子。
ほぼ度胸だけでホームステイに乗り込みました。
英語耳の下地は洋楽やラジオのみ。
やっぱり、何を言われているのかよく分からないし、自分の言いたいことを伝えられないしで、なんともモドカシイ思いをしました。
ある夕方、家族が皆でテレビを観ていて、私は部屋でゆっくりしていた時のこと。テレビから聞こえてくる英語はほぼ雑音だったのに、急に自分の耳にはっきり聴こえてきた音がありました。
「ミザル、イワザル、キカザル」
そりゃ、びびりました。超はっとした。
はっきりすぎるほど、しっかり耳に入ってきた日本語の音。(確か、SONYのウォークマンCMだったような。)
私の頭と耳は、英語という雑音の中からしっかり日本語の音だけは拾ってきたんですね。
新しい言語の言語野を作るには
この話は、更に言語学の内容に続きます。
人間の脳は、新しい言語を1000時間〜2000時間聴くと、やっと脳の中にその言語の「言語野」ができるそうです。
言語野ができると、脳が雑音にしか聞こえていなかった音を言語として認識してくれる。大学の時にとった言語学の授業で、教授が話していた内容です。
「英語のシャワーを浴び続ける!」っていう宣伝文句を売りにしてる教材が多数ありますよね。言語野の育成ということを考えれば、あれは確かに正しいことを言っていると思われます。
ただ、それぞれが売りにしている英語耳が仕上がるまでの期間に若干怪しさが残ると思ってしまう私。
英語の聞き流しについてはこちらの記事を参考にどうぞ。
-
英語 リスニング:聞き流しはどれだけ効果があるの?大人と子供で効果の違いは?
英語のリスニングを伸ばしたいと思っている人なら、一度は聞いたことがあるだろう「聞き流し」という方法。 英語を聞き流していたら、ある日突然「英語が口から飛び出した!」みたいな宣伝ありますよね。 私もやり ...
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オウチde外国語活動、何ができる?
なるべく日常生活に英語の音を入れましょう。
小学校3年生から始まる外国語活動。
そこではじめて英語の音を聴くよりは、事前になるべく耳慣らしをしておくことをおススメします。
なぜなら、柔らか脳の子供は聴き取りや発音において、大人よりも抜群にいい感性をしているから。
我が家では、you tubeやDVD、またはケーブルテレビで流れる2ヶ国語のアニメを時々英語にして観ています。
ご飯どきにテレビを観る時は、必ず英語!とルールを決めると、子供もそんなものかと割り切って英語で観てくれるものです。
英語の歌をきいてみたり、親子で単語を覚えてみたりするのもいいかもしれないですね。
大切なのは、英語が「特別なもの」と思わないくらい、心理的ハードルをさげておく。
そうすれが外国語活動が学校ではじまっても気負いなくスタートできそうですね。
英語耳を育てるためのおススメ音源
- You tube
- 2ヶ国語で放送されているアニメ
- 音声を英語に変えられるDVD
- 英語の音楽
- アプリを上手く活用
すこし余談。
我が家の次男が2歳の頃、you tubeで「finger family」という曲をしょっちゅう観ていました。飽きずに何度も何度も、いろんなバージョンで繰り返し。そして踊るわ歌うわ...
♪Daddy finger, daddy finger, where are you?♪ (お父さん指、お父さん指、どこにいるの?)
という歌詞につづき、mommy finger(人差し指)、brother finger (お兄さん指)...と歌が続いていいきます。
一緒に聴いている家族はうんざりでしたが、次男の耳にはリスニングの良い練習です。
気がつけば、「ふぇあぁ〜ゆ〜」とかなり正しい英語の音をだしているではありませんか。
スゴイ。幼児の耳!
というわけで、幼児期の耳と脳の柔らかさを無駄にしてはなりません。
ですので小学生3年生になる前に是非英語耳を作るおウチでの外国語活動をお勧めします。
まとめだよ
2020 英語教育どう変わる?まとめ
- 学習指導要領が見直しによって、2020年から小学校での英語教育が大きく変わるよ
- 2018年から2020年は移行期間。すでに前倒しで3年生からの外国語活動が始まっているよ。
- 3〜4年生 : 外国語活動 (成績関係なし)
- 5〜6年生 : 教科としての英語がスタート (成績関係あり)
- 新しい指導要領では、実際に使える英語を身につけることが目標。「read =読む」「write =書く」「listen = 聴く」「speak = 話す」4つの柱の全てがバランスよく身につけられているかがチェックされるよ。
- 中学生以降、高校、大学受験でも、同じ。上記の英語4つ柱がバランスよく身につけられているかがチェック項目。
- 家でできる外国語活動は、まず英語の音を聴くこと!日常生活にたくさん英語の音を取り入れてみよう。
- You tube
- 2ヶ国語で放送されているアニメ
- 音声を英語に変えられるDVD
- 英語の音楽
- アプリを上手く活用してみよう
大人と比較すると、英語の音を正しく聴ける耳- 英語耳の習得は子供にとっては割と簡単。
スポンジの吸収力が力をはっきすることでしょう。
ですので、まずは、あなたのおうちですぐに始められる外国語活動=英語の音を日常生活にたくさん取り入れてみてくださいね。
がんばれ~!!
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