英語のリスニングを伸ばしたいと思っている人なら、一度は聞いたことがあるだろう「聞き流し」という方法。
英語を聞き流していたら、ある日突然「英語が口から飛び出した!」みたいな宣伝ありますよね。
- 私もやりたい!
- まじかよ。
- 怪しい。
あなたはどう思いますか?
この記事では、英語を聞き流すだけで、どれほどリスニング力アップの効果があるのか、はたまたないのか。
効果がある人とない人の違いは何なのか、について書いてみたいと思います。
英語の聞き流しはどれほど効果があるのか
子供の場合:聞き流しの効果は?
子供に関しては、英語聞き流しの効果は絶大です。
早ければ早いほど聞き流しの効果は大きいでしょうね。
言語野の発達やら、音声学要素とか文法とか…色々難しい話はあるんだけど、子供はそんな難しいあれこれをすっ飛ばして、とにかく聞き流すだけで言語を習得してしまいます。
母語以外の言語もこの方法でへっちゃら。英語だって中国語だってフランス語だって。
誰もがこの方法で最初は言語を習得しているのに、大きくなるとすっかり忘れてしまうこの方法。
赤ちゃんて、めちゃくちゃ体が柔らかいですよね。
こんなポーズとか普通にする。
この柔軟さが脳やら耳やらあちこちにあるので、苦労いらずなんです。
英語を「勉強して」身につけた「国産」の私からすると本当にうらやましい限りですよ。
大人の場合:聞き流しの効果は?
英語の聞き流しの効果、大人にはどうでしょうか。
答えは「効果あり」。
でも、子供のように絶大な結果をもたらすのはそれなりの量と時間が必要です。
大学で取っていた言語学の授業でも、新しい言語を習得するときには音を聞けと言われていたので、英語の聞き流しに効果があることは間違いないでしょう。
ただ、私は純国産教育で割と遅めに英語を習得したので、英語を聞き流して効果がなかった時と、効果があった時と、その両方を体験しました。
とにかく闇雲に聞き続けてみた時は、あまり効果がなかったです(´ε`;)
わからない単語やら会話は、わからないまま。
一方、「聞き流し」のプロセスを色々知って、段階を経てから臨んだ聞き流しはとても効果がありました。
大人は子供より頭と耳が柔軟性にかける上、これまで積み上げてきたあらゆる言語的基礎がバリアになってしまうので、「聞き流し」の効果を引き出すためには「聞き方」の方法や手順が重要になるのだと思います。
英語の聞き流し:その方法は?
子供の場合(理想は1〜10歳)
耳が柔軟な子供の場合は、ひたすら英語を聞き流すでokです。
というか、okらしい。
我が家の子供が赤ちゃん時代に、英語教材を色々しらべてどれにするか試行錯誤したとき、子供に英語を「聞き流してもらう」という超シンプルな方法にたどりつきました。
おもちゃで気を引いて英語のレッスンをしなくとも、ひたすら英語を聞き流してもらう。
子供が遊んでいてもOK。
この方法が子供には一番近道と確信しました。自分の体験も踏まえて一番ストンと腑に落ちた。
ただ、なんでもありの英語を流すよりかは、赤ちゃんや子供がリラックスした状態で耳に入る音源が最初のうちは一番おすすめかと。
そんな理由で、絵本の読み聞かせとか童謡、お母さんと子供の会話などがいいんじゃないかなと思います。
良かったらこちらも参考にしてね。
大人の場合
大人の場合、子供ほどシンプルではありません。
ほら、このポーズ↓ 練習しない限りは無理でしょ(´ε`;)
大人はこれまでに身につけた言語の基礎が完成形になってしまっているので、新しい言葉を身につける時にそれが邪魔になります。
英語を聞き流し続けても、わからない内容はずっとわからないままです。
私が務める会社は仏系企業なのでフランス人が多いのですが、聞き流しだけで言語を習得できているなら、ここ10年くらいの蓄積で私もそろそろフランス語を話せてもいいんじゃないかと思います。
が、しかし、そんな日は一向に来る気配がありません。
これを打開するには、まず単音から攻めるといいです。
すなわち、母音とか子音のレベルから。
それぞれの発音記号と音を覚えるくらい聞いて、それから単語を聞く。
この時十分音を聞いた音に自分も同じ音を出す練習をしてみると、かなり近い音(というか同じ音)が出せるようになってきます。
単語レベルでの聞き取りがokになってきたら、次はフレーズや短文単位で聞く。
短文の次は長めの文章、というふうに徐々に聞く長さを伸ばしていきます。
英語の聞き流しにたどり着くまで、ステップが結構あるんです。
step
1単音から音を聞く(母音、子音レベル)
発音記号も覚えてしまって、発音もまねてみましょう。
この単音を聞くステップはつまらないけど、しっかり身につけておくと、後々のリスニング力の底上げになります。
step
2単語レベルでの英語聞きとり
このステップでも単語を聞きながら、自分で音をまねて出す。
結構イケてる音を出せるようになると、気分がいいです。
step
3短文やフレーズの英語聞きながし
英語を英語の順番で難なく理解できるまで、短文を読む。音も聞く。
step
4長文の英語を聞きながす
清聴と多聴をたくさん行う。このやり方については後述します。
大人の英語聞き流し手順がここまで細かい理由
まぁ、めんどくさいよね(´-ω-`;)
発音記号からはじめろって言われても。
時間もかかるし。
でも、これをやるのとやらないのでは、効果が雲泥の差がうまれます。
実際、自分がそうだったので。
とある読み物に出会って、私も発音記号からスタートしてみたら「目からウロコ」体験をしたのでした。
その読み物と出会った話はここでは割愛しますが、発音記号から入るのは本当に「アリ」だと思います。
自分の発音もよくなるし。「急がば回れ」ですね。
本題に進みます。
大人の聞き流し手順はなぜ細かいステップを踏まないといけないか、その理由はこちら。
英語と日本語は周波数が違うから
まず、英語は日本語と周波数が違う。平たくいうと、日本語しか話さない人には、英語の音が耳に入らない。
有名企業のテレビコマーシャルで使われていた“inspire the next”というフレーズ。(今でも使われているのかな)
カタカナだと「インスパイア ザ ネクスト」
ですが...
我が家の母(東京都民歴30年以上、でも未だに大阪弁)には「イッパイヤッテルネ」に聞こえるそうです。
もう、タモリさんのボキャブラ天国とか空耳アワーの世界。
ボキャ天って、現代っ子にはわからないですかね。面白かったな、あの番組。
私の母の耳は、自分の知ってる音でしか英語を拾わないので、こういう空耳的な事象が起こります。
言語周波数に関しては、こちらの記事もどうぞ。私の体験談も入っていたりします。
英語は音が化けるから
そうなんです。音が変化する。
単語と単語がくっついて音が変化する、リエゾンてやつ。
有名なのは、「I want to 〜」
日本語のカタカナ的理解だと「アィウァントトゥ」ですが、実際話される時には「アィ ウァナ」と変化します。
「アィウァントトゥ」の音が聞こえるはず!って日本人の耳は待ち受けているのに、「アィウァナ」と変化球が来ると、え、なんて?ってパニックになる。
そうなると、もう次の英語をきけなくなるので、泥沼です。
なので、そんな音が化けた英語にも対応できるよう単音→単語→短文→文章とステップを踏んで聞き流しをするのがいい。
英語の聞き流しには量が必要だから
単音→単語→短文→文章と、英語の音を聞ける耳作りが進んできたら、あとは聞き流す英語の量を増やしていきます。
英語耳用、筋トレです。
この英語筋トレは、一言一句の音や意味、それから文の構造を理解しながら聴く「静聴」と、たくさんの量をこなす「多聴」と、を繰り返すのがおススメです。
清聴と多聴の目的
- 清聴の目的:一言一句の音や意味、それから文の構造を理解しながら英語を聞く
- 多聴の目的:聞き流す英語の量を増やす。
静聴は、一言一句の意味を理解して聞く必要があるので、聞き流す音声内容が文字おこされている物が必要です。
自分の好みの映画の一部分を英語字幕で繰り返し観るのもありですね。
正直なところ、ニュース英語を聴くより断然楽しい。
楽しくないと続かない。
今は動画や映画が見放題のオンデマンドサービスがたくさんあるので、素材には困らなそうですね。
中でもHuluは、英語字幕に対応しているので非常におススメのサービスです。
「多聴」と「静聴」を繰り返し、結構な量を聞き流してあなたの中に英語を蓄積させてくださいね。
英語聞き流し:子供の日本語が中途半端にならない?
子供に早く英語を始めさせると、日本語も英語も「中途半端になる説」を唱える人がいますが...
あまり心配ないと思います。
なぜなら、日本に住んで生活している限り、環境的に第一言語になる日本語を英語が超えることはないから。
- 親が外人(またはバイリンガル)かつ、インターナショナルスクールに通う
とか...
- 親が外人(またはバイリンガル)で意識的に1言語(英語)しか話さない
とか...
よほど「英語どっぷり」な環境じゃない限りね。
学術的にも古い説らしいし、日本語で読み書きを習うようになれば読書量を増やすことで日本語は維持できるはずです。
少なくともボキャ貧にはならないはず。
英語の聞き流し:まとめだよ
英語の聞き流しの効果は大きい:
- 子供:効果絶大
- 大人:必要なステップを踏めば大きな効果を生む
効果的な英語聞き流しの方法は?
子供:シンプルに英語を聞き流すだけ
大人:単音→単語→短文→文章のステップで英語を大量に聞く。
文章を聞くようになったら、一言一句の意味を理解しながら聞く「静聴」とたくさんの英語を聞き流す「多聴」と、にトライ。
純国産で大人になってから英語を習得した者としては、子供の頃に英語を「聞き流す」なんて選択肢が自分に与えられたら、その後さぞ楽だったろうなと思います。
英語を使えることが全てではないけど、英語を身につけることで色々選択肢の幅を広げられるのは事実です。
やってて損はない。
大人も子供も赤ちゃんも、「思い立ったが吉日」的思考で英語の聞き流しを始めてみてね。
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